「貸してあげなさい」と何度言っても聞かない。お友達に怒られて大泣き。その場で無理やり取り上げたら余計ひどくなった…
3〜5歳の「貸せない」は、わがままではありません。この時期の子どもは「自分のもの」という所有感が芽生え始める時期。むしろ健全な自我の発達のサインです。
問題は貸せないことではなく、「どう声をかけるか」。タイプによって効く声かけはまったく違います。
貸せない理由は気質にある
やってしまいがちなNG対応
タイプ別の効果的な声かけ
を、保育士の視点からお伝えします。
「貸せない」理由は気質によって違う
同じ「貸せない」でも、その背景はタイプによって異なります。まず「なぜ貸せないのか」を知ることが、声かけの第一歩です。
こだわりが強いタイプ(J傾向)
「これは自分が使う順番がある」「今は自分のターン」という感覚が強い。計画が崩されることへの抵抗です。「あと何回やったら貸せる?」と聞いてみましょう。
感情を大切にするタイプ(F傾向)
「このおもちゃが大好き」「貸したくない気持ちがある」という感情がそのまま出ています。感情を否定せずに受け止めることが第一歩です。
内向きタイプ(I傾向)
貸すことへの不安(壊されるかも・返ってこないかも)が大きい。「ちゃんと返ってくるよ」と安心の言葉が効果的です。
行動タイプ(P傾向)
「今使いたい!」という衝動が勝っている状態。しばらくすると自然に飽きて手放すことも多い。少し待つのも一つの手です。
やってしまいがちなNG対応
「貸してあげなさい!」と命令する
子どもの意思を無視した命令は反発を生みます。その場は解決しても、次も同じ問題が繰り返されます。
無言で取り上げる
「大人には逆らえない」と学習するだけで、自分から貸す力は育ちません。子どもの自主性を奪う対応です。
「意地悪な子」と評価する
「貸せない=意地悪」というレッテルは、子どもの自己イメージを傷つけます。行動と人格を切り離して考えましょう。
相手の子に謝り続ける
親が過剰に謝ることで、子どもは「貸せない自分が悪い子」と感じてしまいます。場を収めることより、子どもの気持ちを優先しましょう。
【タイプ別】効果的な声かけ
タイプに合った言葉を使うだけで、子どもの反応が変わります。
こだわりが強い子(J傾向)へ
「あと3回やったら貸せる?」「〇分したら交代しようか」
終わりの見通しを作ってあげると動きやすくなります。
感情を大切にする子(F傾向)へ
「貸したくない気持ち、わかるよ」「大好きなんだね」
まず気持ちを受け止めてから「〇〇ちゃんも使いたいって言ってるよ」と伝える。
心配性な子(I傾向)へ
「ちゃんと返ってくるよ、ママが見てるから大丈夫」
安心の保証を言葉にしてあげると、手放しやすくなります。
今に夢中な子(P傾向)へ
少し待つ。または「貸したら一緒に遊べるよ」と楽しさで切り替える。命令より提案が効きます。
まとめ|「貸せた」より「気持ちを言えた」を大切に
この時期の目標は「必ず貸す」ことではありません。「貸したくない気持ちを言葉にできる」「気持ちを整えて自分で決められる」ことの方がずっと大切です。
貸せたときはたっぷりほめる。貸せなくても「気持ちを話してくれたね」とプロセスをほめる。この積み重ねが、社会性の土台を作ります。
大人が正解を押しつけるのではなく、子どもが自分で選べるように声をかけてあげてください。
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