「上の子には通じた声かけが、下の子には全然効かない」
「同じように育てているのに、なんでこんなに違うんだろう」
きょうだいがいる家庭でよく聞く悩みです。でも実は、これは当然のこと。同じ親から生まれても、気質タイプは一人ひとり違います。
同じ関わり方を全員に当てはめようとするから難しくなる。それぞれのタイプに合った接し方を知るだけで、きょうだい育ての景色が変わります。
きょうだいでタイプが違う理由
タイプの違いで起きやすいきょうだいゲンカの原因
タイプ別の関わり分けのコツ
を、保育士の視点からお伝えします。
なぜきょうだいでタイプが違うの?
気質は遺伝と環境の組み合わせで決まりますが、同じ親から同じ環境で育っても、気質は全然違うことがあります。これは「育て方の差」ではなく、生まれ持った個性の違いです。
気質はガチャのようなもの
親のDNAが組み合わさって生まれる気質は、子どもごとに異なる組み合わせになります。同じ親でも「外向き×感情タイプ」の子と「内向き×思考タイプ」の子が生まれることは珍しくありません。
タイプの違いで起きやすいきょうだいゲンカの原因
タイプが違うと、お互いの「当たり前」がぶつかります。代表的なパターンを見てみましょう。
外向き(E)vs 内向き(I)
Eタイプ「一緒に遊ぼうよ!」vs Iタイプ「一人でいたいのに…」。Eは一緒にいることで充電し、Iは一人でいることで充電します。どちらも悪くない、ただニーズが違うだけです。
計画型(J)vs 柔軟型(P)
Jタイプ「順番通りにやろう」vs Pタイプ「気分でやりたい!」。Jは決まったルールに安心し、Pは自由さに安心します。ルール決めをする場面でよくぶつかります。
感情型(F)vs 思考型(T)
Fタイプ「気持ちをわかってほしい」vs Tタイプ「理屈で解決したい」。Fは共感を求め、Tは論理的な解決を求めます。お互いに「わかってもらえない」と感じやすいです。
タイプ別の関わり分けのコツ
同じ声かけを全員に使うのをやめて、タイプに合わせて少しだけ変えてみましょう。
外向き(E)の子へ
一緒に声に出して話す時間を作る。「今日どうだった?」の会話が充電になります。返事が短い内向きの子と同じ量の会話を求めないようにしましょう。
内向き(I)の子へ
帰宅後や集団活動後に、一人でいる時間を確保してあげる。「静かにしていていい」と許可を出すだけで安心します。外向きの子と同じペースで関わろうとしないことが大切です。
計画型(J)の子へ
「今日の流れ」を先に伝える。「何時に何をするか」が見えていると安心します。突然の予定変更はできるだけ避け、変更が必要なときは理由を添えて伝えましょう。
柔軟型(P)の子へ
「このなかから好きなものを選んでいいよ」と選択肢を渡す。自分で決めた感覚があると動けます。細かいルールより大まかな方向性だけ決めてあとは自由にするのが◎。
感情型(F)の子へ
まず「そう思ったんだね」と気持ちに共感する。正論より共感が先。気持ちを受け取ってもらえると、話を聞く耳ができます。
思考型(T)の子へ
「なぜそうするのか」を説明する。理由がわかれば動きやすい。感情的な訴えより「こうする方が効率的だよ」という論理的な説明が刺さります。
きょうだいゲンカが起きたときの仲裁のコツ
どちらの味方もしない
「〇〇が悪い」ではなく「二人とも気持ちがあるんだね」と中立に立つ。タイプが違うだけで、どちらも正しいニーズを持っています。
それぞれの「言い分」を聞く場を作る
同時に話させると喧嘩になるので、一人ずつ話す場を作る。Fタイプには気持ちを聞き、Tタイプには事実を聞くと話しやすくなります。
「違い」を面白がる言葉をかける
「〇〇ちゃんはこういうタイプで、△△くんはこういうタイプだから、同じじゃなくて当然なんだよ」と教える。違いを個性として認識させることが、長い目で見たきょうだい関係を育てます。
まとめ|「違い」はきょうだいの財産
タイプが違うきょうだいは、ぶつかりやすい分、互いの弱点を補い合える関係にもなれます。外向きの子が内向きの子を外の世界に引き出し、内向きの子が外向きの子に「一人でも大丈夫」を教える。
親としては「公平に同じように育てなきゃ」という意識が働きますが、本当の公平は「同じ関わり方」ではなく「それぞれに合った関わり方」です。
それぞれのタイプを知ることで、きょうだいそれぞれへの関わり方がより自然になっていきます。
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